誤解している方が多いのですが、検認とは、遺言書の偽造・変造・改ざん防止
のための証拠保全手続き(要するに、相続人たちが勝手に書き換えたりしない
ようにするため)であって、遺言書の有効 ・無効を決める手続きではありませ
ん。従って、検認をしたからといって遺言書が有効になるわけではなく、場合によって
は、後で、遺言の有効性について争いになることもあります。
その場合には、別個の手続が必要になります。
逆に、検認をしていないからといって遺言書が無効になるわけでもありません。
ただ前述したように、検認していないと、実際の手続が進められなくなるだけです。 なお、これも心配されている方が多いのですが、遺言書を仮に開封してしまっても、
過料になることはあっても、それだけで遺言書が無効になったりはしません。 どうか安心されてください。
検認手続きの仔細については、こちらをご覧ください。 |
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この手続は、思いのほか面倒なうえに、難しかったりします。相続人の確定も相続 |
財産の確定も、時間と労力が必要です。そのためか、信託銀行等に依頼すれば、 |
それだけで100万円を超える費用を要求されたりしますので、”えっ、そんなに高い |
のか”と驚かれるでしょう。 |
例えば、相続人は戸籍や住民票等で調べますが、相続人が決まらないと、相続放 |
棄や限定承認、遺産分割協議、預貯金や車の名義変更、登記などが何もできませ
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ん。 |
しかし、(ア)相続人が多くて各地に散らばっていたり、(イ)数次相続(相続が開始し |
て遺産分割協議を終える前に相続人が亡くなり、新たな相続が開始すること)があっ |
たり、(ウ)養子や再婚、認知があったり、あるいは、(エ)兄弟姉妹が相続したりする |
と、取り寄せる範囲はとたんに広くなります。 |
一般の方は、戸籍を見ても誰が相続人になるかさえ、なかなか判りません。しかも、 |
昔の戸籍は読みづらいのです。これを短期間に過不足なく揃えるには、知識と根気が |
必要です。 |
そこで、私どもがお役に立ちます。 |
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(相続開始を知ってから原則3ヶ月以内) |
一般的に相続が開始した場合に、相続人の採りうる手段としては、 |
(ア)「相続放棄」、 |
(イ)「限定承認」、 |
(ウ)「単純承認」、の3つがあります。 |
このうち、借金がある場合で、(ア)プラスとマイナスの財産を比べて、マイナスの |
財産の方が多いことが明らかならば相続放棄を、(イ)どちらが多いか明らかでなく、 |
プラスの財産が残るかも知れないときには限定承認をすればよいでしょう。 |
そうすれば、少なくとも借金を支払う必要はなくなります。 |
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ただ実際には、手続が面倒で時間(と多くの場合には費用も)かかるためか、限定承 |
認はあまり使われていません。 |
そこで、以下、相続放棄を中心に述べます。 |
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まず、相続放棄は単純絶対なものですから、①特定の相続人に自分の相続分をあ |
げるための放棄(相対的放棄)はできませんし、②借金だけは放棄するとか、この土 |
地は欲しいが、それ以外は放棄するなどと、条件を付けることもできません。 |
また、相続放棄は、詐欺や強迫等の場合を除いて、後でやり直すことができません |
ので、慎重に検討してから行なう必要があります。 |
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相続放棄は個人で、限定承認は相続人全員で、両方とも家裁に申立てます。 |
単に口頭だけで相続放棄・限定承認をすると言っていても、意味がありません。 |
相続放棄・限定承認ともに、(Ⅰ)原則的には3ヶ月以内しかできませんので、急 |
いで判断する必要があります。 |
ただし、(Ⅱ)3ヵ月後に初めて借金の存在に気づいたとか、財産がプラスになるの |
かマイナスになるのか判断が難しく時間がかかった場合には、考慮期間の延長が |
できます。家裁に相談してください。 |
さらに、相続放棄に絡む諸問題については、こちらをご覧ください。 |
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もし①この期間内に何もしないでいたり、②相続財産を使ってしまった場合(ただし、 |
葬儀費用を相続財産から支払うことは、争いがあります)には、相続放棄できません。
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このときは(ウ)単純承認したものとして、ほとんどの一切合財を(借金があれば借金 |
ごと)相続します。 |
また、単純承認になれば、借地権や借家権も当然に相続します。 |
当然そうなるので、相続したことを理由に更新料を請求されたり、解除されるいわれは |
ありません。 |
また、新たに賃貸借契約書を作り直す必要もありません。 |
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⑥ |
準確定申告 |
(相続開始を知ってから4ヶ月以内) |
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